学研全訳古語辞典 |
あり・く 【歩く】
活用{か/き/く/く/け/け}
①
あるく。外出する。訪問する。
出典方丈記
「かくわびしれたる者どもの、ありくかと見れば、すなはち倒れ伏しぬ」
[訳] このようにつらい目にあってぼけたようになっている者たちが、歩いているかと思うと、すぐに倒れて横たわってしまう。
②
動きまわる。行き来する。
出典今昔物語集 二九・一八
「朱雀(すざく)の方に人しげくありきければ」
[訳] 朱雀大路の方に人が大勢行き来していたので。
活用{か/き/く/く/け/け}
〔動詞の連用形に付いて〕
①
…してまわる。方々で…する。
出典枕草子 にくきもの
「衣(きぬ)の下にをどりありきてもたぐるやうにする」
[訳] (蚤(のみ)が)着物の下で飛び跳ねまわって、(着物を)持ち上げるようにする(のはにくらしい)。
②
ずっと…して過ごす。…して日を送る。
出典源氏物語 東屋
「後ろ見ありき給(たま)ふめる」
[訳] お世話をずっとしてくださっているようだ。
参考
「ありく」「あるく」と「あゆむ」の違い 「ありく」と「あるく」は広く移動することを表し、人以外に動物・車・舟などの移動にも用いる。一歩一歩の歩行の意味には「あゆむ」を用いた。
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