学研全訳古語辞典 |
けだし 【蓋し】
①
〔下に疑問の語を伴って〕ひょっとすると。あるいは。
出典万葉集 一一二
「古(いにし)へに恋ふらむ鳥は霍公鳥(ほととぎす)、けだしや泣きしわが念(も)へるごと」
[訳] 昔を恋い慕っている鳥はほととぎすで、ひょっとすると鳴いているのかもしれない、私が(昔のあの人を)思っているように。
②
〔下に仮定の表現を伴って〕もしかして。万一。
出典万葉集 四〇二
「山守(やまもり)はけだしありとも」
[訳] 山の番人は万一いるとしても。
③
おおかた。多分。大体。
出典源氏物語 少女
「風の力けだし少なし」
[訳] 風の力は多分少ない。
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