学研全訳古語辞典 |
ためら・ふ 【躊躇ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
①
心を静める。感情をおさえる。
出典源氏物語 桐壺
「ややためらひて、仰せ言伝へ聞こゆ」
[訳] いくらか心を静めて、(帝(みかど)の)おっしゃったお言葉をお伝え申し上げる。
②
病勢を落ち着かせる。体を休ませる。養生する。
出典源氏物語 夢浮橋
「心地の、かき乱るやうにし侍(はべ)るほど、ためらひて、今聞こえむ」
[訳] 気分が、かき乱れるようになっています間体を休ませて、まもなく(返事を)申し上げましょう。◆自動詞的にも使う。
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
気持ちが決まらず迷う。ぐずぐずする。躊躇(ちゆうちよ)する。
出典徒然草 二三一
「たやすくうち出(い)でんもいかがとためらひけるを」
[訳] 軽率に言い出すのもどうかと躊躇していたのを。
注意
[二]は現代語の「ためらう」と同義であるが、古文でこの意味を受け持つのは、主に「やすらふ」であり、また「たゆたふ」である。
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