学研全訳古語辞典 |
くく・む 【銜む・含む】
活用{ま/み/む/む/め/め}
①
口の中に含む。
出典蜻蛉日記 下
「氷(ひ)くくみたる声にて」
[訳] 氷を口の中に含んだ声で。
②
(物)の中に包む。くるむ。
出典狭衣物語 四
「むつきにくくまれ給(たま)へる、女帝(によたい)にゆづり置き」
[訳] 産着(うぶぎ)にくるまれていらっしゃる方に、女帝として(位を)譲り残し。
活用{め/め/む/むる/むれ/めよ}
①
口の中に含ませる。
出典源氏物語 薄雲
「うつくしげなる御乳(ち)をくくめ給(たま)ひつつ」
[訳] (紫上は)かわいらしげなお乳を(養女の姫君の)口の中に含ませなさりながら。
②
納得させる。言い聞かせる。
出典枕草子 能因本・職の御曹司におはします頃、西の廂にて
「言ひくくめてやりたれば」
[訳] よく言って納得させてやったところ。
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