学研全訳古語辞典 |
ほほ-ゆが・む 【頰歪む】
活用{ま/み/む/む/め/め}
①
頰がゆがむ。顔が変な形になる。
出典枕草子 見ぐるしきもの
「寝腫(は)れて、ようせずは、ほほゆがみもしぬべし」
[訳] (昼寝した後では)寝起きで顔がはれて、悪くすると頰がゆがんだりもしているにちがいない。
②
間違って事実と異なったことを言う。事実がゆがむ。
出典源氏物語 朝顔
「つきづきしうまねびなすには、ほほゆがむこともあめればこそ」
[訳] (手紙の内容をあとで)しっくりするように伝えようとすると、(かえって)事実がゆがむこともあるようなので。
活用{め/め/む/むる/むれ/めよ}
事実を違えて言う。事実をゆがめる。
出典源氏物語 帚木
「朝顔奉り給(たま)ひし歌などを少しほほゆがめて語るも聞こゆ」
[訳] 朝顔を差し上げなさったときの歌などを、少し事実を違えて(=間違えて)言うのも聞こえる。
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