学研全訳古語辞典 |
け-らし
《接続》活用語の連用形に付く。
①
〔過去の事柄の根拠に基づく推定〕…たらしい。…たようだ。
出典新古今集 春上
「ほのぼのと春こそ空に来(き)にけらし天(あま)の香具山(かぐやま)霞(かすみ)たなびく」
[訳] ほのぼのと春が空にやって来たらしい。天の香具山には霞がたなびいている。
②
〔過去の詠嘆〕…たのだなあ。…たなあ。
出典鹿島紀行 俳文・芭蕉
「まことに愛すべき山の姿なりけらし」
[訳] (筑波山(つくばさん)は)本当に愛すべき山の姿であったなあ。
参考
(1)過去の助動詞「けり」の連体形「ける」に推定の助動詞「らし」の付いた「けるらし」の変化した語。(2)②は近世の擬古文に見られる。
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