学研全訳古語辞典 |
おきつかぜ…
分類和歌
「沖つ風吹きにけらしな住吉(すみよし)の松のしづえを洗ふ白波」
出典後拾遺集 雑・源経信(みなもとのつねのぶ)
[訳] 沖の方では風が吹いたらしい。住吉の岸辺に生える松の下枝を、高くなって押し寄せる白波が洗っていることだ。
鑑賞
凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)の「住江(すみのえ)の松を秋風吹くからに声打ち添ふる沖つ白波」(『古今和歌集』)〈住江の松を秋風が吹くとともに、その松風の音に響きを添える沖の白波である。〉を念頭に置いた歌。「けらし」は過去の推定を表す助動詞。
おき-つ-かぜ 【沖つ風】
沖を吹く風。[反対語] 辺(へ)つ風。
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