学研全訳古語辞典 |
なう
①
もし。もしもし。▽人への呼び掛けに発する語。
出典羽衣 謡曲
「なう、その衣はこなたのにて候ふ」
[訳] もしもし、その羽衣は私のものでございます。
②
ああ。おお。▽感動して発する語。
出典隅田川 謡曲
「なうこれは夢かや、あらあさましや候ふ」
[訳] ああ、これは夢だろうか、なんとひどいことでございます。
なう
《接続》文の言い切りの形に付く。〔感動や同意を求める〕ねえ。なあ。
出典腰祈 狂言
「さてもさても、久しう見ぬうちに恐ろしい山伏におなりやったなう」
[訳] ほんとにまあ、長い間見ないうちに驚くほど立派な山伏におなりでしたねえ。◆中世以降の語。
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