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学研全訳古語辞典

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ど-も

接続助詞

《接続》活用語の已然形に付く。


〔逆接の確定条件〕…けれども。…のに。…だが。


出典伊勢物語 二三


「親のあはすれども、聞かでなむありける」


[訳] (女は)親が(他の男と)結婚させようとするけれども、承知しないでいたのだった。


〔逆接の恒常条件〕…てもいつも。…であっても必ず。


出典徒然草 六〇


「いかなる大事あれども、人の言ふこと聞き入れず」


[訳] どんな大切なことがあってもいつも、人の言うことを聞き入れない。


語法

軽い接続の用法 「ども」には、はっきりした逆接の関係にならず、「…だが、その一方で」「…だけではなく、さらに」などの意を表しているとみられる次のような例もある。「風吹き波激しけれども、かみさへ頂(いただき)に落ちかかるやうなるは」(『竹取物語』)〈風が吹き、波が激しいだけではなく、さらに雷までも頭の上に落ちかかるようなのは。〉


参考

「ど」とほとんど同義。中古では、和文には「ど」、漢文訓読文には「ども」が多用されたが、中世以降は「ども」が優勢になる。



-ども

接尾語

体言に付いて、同類の複数を表す。ら。「海人少女(あまをとめ)ども」。


自分を表す語や身内の者を表す語に付いて、謙そんの意を表す。「女ども(=私の妻)」。


目下の者を表す語に付いて、相手への呼び掛けに用いたり、相手を低く扱ったりする。


出典大和物語 一五六


「嫗(おうな)ども、いざたまへ」


[訳] ばあさんや、さあいらっしゃい。


参考

(1)の人を表す語に付く「ども」は、「たち」に比べて敬意が低い。⇒たち(2)似ているように感じられる「など」は副助詞で、一、二の事柄を例示したり、表現を穏やかにやわらげたりするもので、「ども」とは異なる。また、「ども」と「など」が重なる場合は、「どもなど」の形で強めを表す。








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