学研全訳古語辞典 |
なま-め・く
活用{か/き/く/く/け/け}
①
みずみずしくて美しい。清らかである。
出典伊勢物語 一
「その里にいとなまめいたる女はらから住みけり」
[訳] その里にとてもみずみずしくて美しい姉妹が住んでいた。◇「なまめい」はイ音便。
②
上品である。優雅である。情緒がある。
出典源氏物語 鈴虫
「閼伽(あか)の棚などして、その方(かた)にしなさせ給(たま)へる御しつらひなど、いとなまめきたり」
[訳] 閼伽棚など作って、仏道修行にふさわしく準備をおさせになったご設備などは、たいそう情緒があった。
③
色っぽいようすをする。好色そうな態度をとる。
出典伊勢物語 三九
「この車を女車(をんなぐるま)と見て、寄り来て、とかくなまめく間に」
[訳] この車を女車と見て、近寄って、あれこれと(女の気を引くような)色っぽいようすをする間に。
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