学研全訳古語辞典 |
なま-めか・し
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
若々しい。みずみずしい。清新だ。
出典源氏物語 若菜上
「なまめかしく、人の親げなくおはしますを」
[訳] (源氏は)若々しく、人の親というようすではなくていらっしゃるのを。
②
優美だ。優雅だ。上品だ。
出典枕草子 なまめかしきもの
「なまめかしきもの。ほそやかに清げなる君達(きむたち)の直衣(なほし)姿」
[訳] 優美なもの。ほっそりしていてすっきりと美しい貴公子たちの直衣(のうし)(=平服)姿。
③
色っぽい。つやっぽい。
出典反魂香 浄瑠・近松
「三味線にひきかはりたる三筋町、恋の市場となまめかし」
[訳] 三味線を弾く音に変わった三筋町は、恋の売り買いの場所と色っぽい(ところだ)。◇広く用いられるようになったのは近世以降。
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