学研全訳古語辞典 |
めいげつや…
分類俳句
「名月や池をめぐりて夜もすがら」
出典孤松 俳文・芭蕉(ばせう)
[訳] 中秋の名月の今夜、月の映る池のほとりを歩きまわって、一晩じゅう月見をすることである。
鑑賞
「よもすがら」に、美しい月に出会えた喜びと感興の深さがうかがえる。季語は「名月」で、季は秋。
めいげつや…
分類俳句
「名月や北国日和定めなき」
出典奥の細道 敦賀・芭蕉(ばせう)
[訳] 今夜は中秋の名月だ。それなのに雨が降ってしまい、まったく北国の天気は変わりやすくて定めないことだ。
鑑賞
陰暦八月十四日、敦賀の港に着いて宿をとった夜はよく晴れて月がきれいであった。中秋の名月を楽しみにしていた芭蕉は宿の亭主に、明日の夜も晴れるかと尋ねたところ、亭主は、北国の天気は変わりやすいので予想できないと答えた。そして十五日、その亭主の言葉通りとなったのである。季語は「名月」で、季は秋。
めいげつや…
分類俳句
「名月や畳の上に松の影」
出典雑談集 俳文・其角(きかく)
[訳] 中秋の名月のさやかな光が部屋の中まで射し込んで、庭の松が畳の上にくっきりとその影を落としていることだ。
鑑賞
「名月」は、陰暦八月十五夜の月。月の明るさを鮮明な影のようすで印象的にとらえた句。季語は「名月」で、季は秋。
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