学研全訳古語辞典 |
ひと-きは 【一際】
①
身分・地位などの一段階。
出典源氏物語 薄雲
「いまひときは上がりなむに」
[訳] もう一段階(内大臣に)昇進したなら。
②
一時。ひとたび。
出典大鏡 道長上
「ひときははいと高く鳴れど」
[訳] (雷は)一時はたいそう大きく鳴るが。
①
一段と。さらにいっそう。
出典徒然草 一九一
「匂(にほ)ひも、ものの音(ね)も、ただ夜ぞひときはめでたき」
[訳] 香も楽器の音色も、ただもう夜(のほうが)一段とすばらしい。
②
〔多く「に」を伴って〕一筋に。いちずに。
出典源氏物語 若菜下
「ひときはに思ひ定めて」
[訳] いちずに思い込んで。
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