学研全訳古語辞典 |
しさい-な・し 【子細無し・仔細無し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
特に問題はない。
出典平家物語 二・一行阿闍梨之沙汰
「誠に別(べち)のしさいなく取り得奉るべくは」
[訳] ほんとうに特別の問題はなく必ず取り返し申し上げたいので。
②
変わった事情がない。
出典平家物語 一二・土佐房被斬
「当時まで都に別(べち)のしさいなく候ふ事」
[訳] その後、今まで都に特別の変わった事情がありませんことは。
③
面倒がない。わけもない。
出典源氏物語 帚木
「男(をのこ)しもなむ、しさいなき者は侍(はべ)るめる」
[訳] 男というものはほんとうにわけもない者であるようです。
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