学研全訳古語辞典 |
つく・る 【作る・造る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
作る。制作する。創作する。
出典更級日記 かどで
「等身(とうじん)に薬師仏(やくしほとけ)をつくりて」
[訳] 人間の身長と等しい高さに薬師如来(によらい)の像を作って。
②
耕作する。
出典平家物語 五・富士川
「春は田つくり、秋はかりをさめて寄せ」
[訳] 「春に田を耕作して、秋に収穫してから寄せ」
③
料理する。
出典宇治拾遺 四・七
「いざ、この雉子(きじ)、生けながらつくりて食はん」
[訳] さあ、この雉子を生かしたままで料理して食おう。
④
ふりをする。よそおう。
出典伊勢物語 二三
「初めこそ心にくくもつくりけれ、今はうちとけて」
[訳] (女は、男の)通い始めのうちは奥ゆかしくよそおっていたけれど、今は気を許して。
⑤
なす。行う。犯す。
出典竹取物語 かぐや姫の昇天
「いささかなる功徳(くどく)を、翁(おきな)つくりけるによりて」
[訳] ほんのわずかの善行を翁が行ったことによって。
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