学研全訳古語辞典 |
さき-だ・つ 【先立つ】
活用{た/ち/つ/つ/て/て}
①
先に立つ。先に進む。
出典蜻蛉日記 中
「さきだちたりし人、舟に菰屋形(こもやかた)ひきてまうけたり」
[訳] 先に立った人が船に菰で仮の屋形をつけて用意していた。
②
真っ先に起こる。先に生じる。
出典万葉集 一一二九
「琴取れば嘆きさきだつ」
[訳] 琴を手に取るとまず嘆きが真っ先に起こる。
③
先に行う。先んずる。
出典伊勢物語 一六
「姉のさきだちてなりたる所へ行くを」
[訳] 姉が先んじて(尼に)なっている所へ行くのを。
④
先に死ぬ。
出典源氏物語 桐壺
「おくれさきだたじと契らせ給(たま)ひけるを」
[訳] 死に遅れたり先に死ぬまいとお約束なされたのに。
活用{て/て/つ/つる/つれ/てよ}
先に行かせる。
出典源氏物語 浮舟
「さきだてて遣はしたりけるに」
[訳] 先に行かせて(準備に)遣わしておいたが。
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