学研全訳古語辞典 |
ぶ-げん 【分限】
①
身の程。分際。身分。
出典吾妻問答
「ぶげんをはかりて正しく案じ、のぼり給(たま)ふべく候ふなり」
[訳] 身の程を考えあわせて正しく工夫して、(上手の位に)のぼりなさるのがよろしいでしょう。
②
財力のあること。金持ち。富豪。
出典日本永代蔵 浮世・西鶴
「今までは借家(しやくや)に居てのぶげんと言はれしに」
[訳] 今までは借家にいての金持ちと言われたが。◆「ぶんげん」の変化した語。
ぶん-げん 【分限】
①
能力。特に、経済的な能力。資力。
出典平家物語 八・太宰府落
「ここに内裏(だいり)造るべきよし沙汰(さた)ありしかども、ぶんげんなかりければ造られず」
[訳] ここ(=柳が浦)に内裏を造るようにとの仰せがあったけれども、資力がなかったので造ることができない。
②
身の程。分際。身分。
出典太平記 三五
「三、四番目の末子(ぱつし)のぶんげん程」
[訳] (泰時(やすとき)は)三、四番目のすえっ子の身分で。
③
財力のあること。金持ち。財産家。分限者(ぶんげんしや)・(ぶげんしや)。
出典日本永代蔵 浮世・西鶴
「銀五百貫目よりして、これをぶんげんといへり」
[訳] 銀五百貫目より以上で、これを金持ちといった。◆「ぶげん」とも。
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