学研全訳古語辞典 |
すなはち 【即ち・則ち】
その時。当時。
出典万葉集 一五〇五
「ほととぎす鳴きしすなはち君が家に行けと追ひしは至りけむかも」
[訳] ほととぎすが鳴いたその時、あなたの家へ行けと追いやった、そのほととぎすは行き着いたであろうか。
すぐに。ただちに。即座に。
出典方丈記
「かくわびしれたる者どもの、ありくかと見れば、すなはち倒れ伏しぬ」
[訳] このようにつらい目にあってぼけたようになっている者たちが、歩いているかと思うと、すぐに倒れて横たわってしまう。
①
とりもなおさず。言うまでもなく。つまり。
出典徒然草 一八八
「一時(いちじ)の懈怠(けだい)、すなはち一生の懈怠となる」
[訳] 一時の怠けが、とりもなおさず一生の怠けになる。
②
そういうわけで。そこで。
出典方丈記
「おのづから短き運を悟りぬ。すなはち、五十(いそぢ)の春を迎へて、家を出(い)で世を背けり」
[訳] 自然に自分の不運を悟った。そういうわけで、五十歳の春になって、出家して俗世間から離れた。
すなわち 【即ち・則ち】
⇒すなはち
則ちのページへのリンク |