学研全訳古語辞典 |
いと・ふ 【厭ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
①
いやがる。
出典徒然草 六〇
「世の常ならぬさまなれども、人にいとはれず、万(よろづ)許されけり」
[訳] (この盛親僧都(じようしんそうず)は)世間一般とは違うようすであるけれど、人にいやがられず、万事許されていた。
②
〔多く「世をいとふ」の形で〕この世を避ける。出家する。
出典奥の細道 松島
「松の木陰に世をいとふ人もまれまれ見え侍(はべ)りて」
[訳] 松の木陰に俗世間を避けている人もごくまれには見られまして。
③
いたわる。かばう。大事にする。
出典浮世風呂 滑稽
「客人をいとふ気になりますから」
[訳] 客を大事にする気持ちになりますから。
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