学研全訳古語辞典 |
く・る 【呉る】
活用{れ/れ/る/るる/るれ/れよ}
①
(相手が自分に物を)くれる。
出典徒然草 一一七
「良き友三つあり。一つには物くるる友」
[訳] よい友には三種類ある。その一つは物をくれる友。
②
(自分が相手に物を)与える。やる。
出典土佐日記 一・七
「この長櫃(ながびつ)の物は、みな人、童(わらは)までにくれたれば」
[訳] この長櫃の中の物は、(船中の)全員、子供にまで与えたので。
活用{れ/れ/る/るる/るれ/れよ}
〔動詞の連用形に助詞「て」が付いたものに付いて〕
①
…(て)くださる。
出典太平記 一八
「いかにもして杣山(そまやま)の城に入(い)れ参らせてくれよ」
[訳] どうにかして杣山の城にお入れ申し上げてください。
②
…(て)やる。
出典太平記 八
「射てくれ候はん」
[訳] 射てやりましょう。
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