学研全訳古語辞典 |
てん-ぐ 【天狗】
①
古代中国の天文で、落下の際に大音響を発するという、流星の一種。天狗星。「てんく」とも。
②
山中などに住むという変化(へんげ)や怪物。
出典宇津保物語 俊蔭
「かく遥(はる)かなる山に、誰(たれ)か物の音(ね)しらべて、遊びゐたらむ。てんぐのするにこそあらめ」
[訳] こんな遠くの山に、だれが楽器を弾いて、遊んでいるだろうか。天狗のしわざであろう。
③
高慢なこと。また、その人。
参考
日本の天狗は、古くから信じられていた木の精霊などと中国伝来の天狗(飛天夜叉(ひてんやしや)など)とが結合し、さらに修験道(しゆげんどう)とも結びついて独自のイメージをつくり上げた。今日では、顔が赤く鼻の異常に高い大天狗や、くちばしと鋭い爪(つめ)を持つ烏(からす)天狗などが知られるが、これらは平安時代末期から中世にかけて固定したものらしい。
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