学研全訳古語辞典 |
たてまつり-たま・ふ 【奉り給ふ】
分類連語
(一)
〔「奉る」が謙譲の場合〕差し上げなさる。献上なさる。
出典枕草子 この草子
「宮の御前(おまへ)に、内の大臣(おとど)のたてまつりたまへりけるを」
[訳] 中宮様に、内の大臣が(この草子を)献上なさったのだが。
(二)
〔「奉る」が尊敬の場合〕お乗りになる。
出典増鏡 新島守
「十三日に御船にたてまつりたまふ」
[訳] 十三日に御舟にお乗りになる。
(三)
〔「奉る」が謙譲の補助動詞の場合〕お…申し上げなさる。
出典枕草子 関白殿、黒戸より
「あなめでた、大納言ばかりに沓(くつ)取らせたてまつりたまふよ」
[訳] まあなんとすばらしい、大納言ほどの(高位のお方)に沓をお取らせ申し上げなさる(御身分)よ。
なりたち
動詞「たてまつる」の連用形+補助動詞「たまふ」
奉り給ふのページへのリンク |