学研全訳古語辞典 |
すた・る 【廃る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
衰える。すたれる。
出典風姿花伝 五
「道すたらば、寿福おのづから滅すべし」
[訳] 芸の道が衰えれば、幸福も自然になくなってしまうにちがいない。
②
用いられなくなる。不用になる。
出典雨月物語 吉備津の釜
「粥(かゆ)さへ日々(ひひ)にすたりて」
[訳] 粥さえ日に日に(体が受けつけなくなって)不用になって。
活用{れ/れ/る/るる/るれ/れよ}
①
[一]①に同じ。
出典古今著聞集 一五六
「この道すたれぬるにやと悲しくおぼえて」
[訳] 和歌の道が衰えてしまったのかと悲しく思われて。
②
[一]②に同じ。
出典徒然草 一七四
「一度(ひとたび)道を聞きて、これに志さん人、いづれのわざかすたれざらん」
[訳] 一度仏の教えを聞いて、その仏道への精進を思い立つような人は、その他のどんなことが不用にならないであろうか、いや不用になる。
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