学研全訳古語辞典 |
あながち・なり 【強ちなり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
無理だ。身勝手だ。強引だ。
出典宇治拾遺 一・一三
「桜の散らむは、あながちにいかがはせむ」
[訳] 桜の花が散るのは、無理にどうすることができようか、できはしない。
②
ひたすらだ。ひたむきだ。一途(いちず)だ。
出典竹取物語 貴公子たちの求婚
「あながちに心ざしを見えありく」
[訳] 一途に真心が人目につくように歩き回る。
③
はなはだしい。ひどい。
出典源氏物語 明石
「二条院よりぞ、あながちに怪しき姿にてそぼち参れる」
[訳] 二条院(の紫の上の所)から(使いが)、ひどくみすぼらしい格好でびしょぬれで参上した。
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