学研全訳古語辞典 |
す・う 【据う】
活用{ゑ/ゑ/う/うる/うれ/ゑよ}
①
置く。据える。
出典伊勢物語 九
「かきつばたといふ五(いつ)文字を句の上にすゑて、旅の心を詠め」
[訳] かきつばたという五文字を句のはじめに置いて旅における感慨を和歌に作れ。
②
住まわせる。とどめておく。
出典源氏物語 若紫
「僧都(そうづ)は、よもさやうにはすゑ給(たま)はじを」
[訳] 僧都は、まさかそのようには(女性を)住まわせなさらないだろうに。
③
設置する。設ける。
出典枕草子 関白殿、二月二十一日に
「御桟敷(さじき)の前に陣屋すゑさせ給(たま)へる、おぼろけのことかは」
[訳] 中宮様の桟敷の前に(近衛(このえ)の)陣屋を設けておられるのは並みのことではない。
④
位につかせる。地位につける。
出典源氏物語 紅葉賀
「坊にもすゑ奉らずなりにしを」
[訳] (帝(みかど)は源氏を)皇太子の位にもおつけ申さずじまいになってしまったことを。
⑤
判を押す。
出典心中天網島 浄瑠・近松
「血判をすゑて差し出す」
[訳] 血判を押して差し出す。
⑥
(灸(きゆう)を)据える。
出典好色一代男 浮世・西鶴
「もぐさ取り出(い)だし、三里にすゑて顔をしかむる」
[訳] もぐさを取り出し、三里に灸を据えて顔をしかめている。
注意
⇒う(植)う
注意
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