学研全訳古語辞典 |
すく・ふ 【掬ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
①
手・ひしゃくなどで、物をくみ取る。しゃくる。
出典栄花物語 御裳着
「宇治河の底に沈めるいろくづを網ならねどもすくひつるかな」
[訳] 宇治川の底に沈んでいる魚を、網ではなかったが、すくい取ったことだなあ。
②
(物をしゃくるように)持ち上げる。
出典曾我物語 八
「乗りたる馬を主(ぬし)ともに中(ちゆう)にすくうて投げ上げ」
[訳] 乗っている馬を主人もろとも空中に持ち上げて投げ上げ。◇「すくう」はウ音便。
③
手前へひきしめる。たぐる。繰る。
出典源平盛衰記 一五
「手綱をすくうて歩ませよ」
[訳] 手綱をひきしめて歩ませよ。◇「すくう」はウ音便。
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