学研全訳古語辞典 |
か・く 【搔く】
活用{か/き/く/く/け/け}
①
ひっかく。(刀で)かき切る。
出典万葉集 二四〇八
「眉根(まよね)かき鼻ひ」
[訳] まゆをひっかきくしゃみをし。
②
(弦楽器を)弾く。
出典宇津保物語 俊蔭
「少しかき出いでたるに」
[訳] 少し(琴を)弾き出したところ。
③
(髪を)すく。くしけずる。
出典源氏物語 須磨
「御鬢(びん)かき給(たま)ふとて」
[訳] 御びん(の乱れ)をおすきになろうとして。
④
払いのける。
出典枕草子 うつくしきもの
「目に髪のおほへるを、かきはやらで」
[訳] 目に髪がかぶさっているのを、払いのけはしないで。
⑤
(食べ物を口に)かき込む。勢いよく食べる。
出典源平盛衰記 三三
「猫殿、ただかき給(たま)へ」
[訳] 猫殿(=猫間中納言殿)、(飯を)ひたすらかき込みなさい。
注意
「搔く」の連用形「搔き」と、接頭語「搔き」とを混同しないこと。
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