学研全訳古語辞典 |
たずき 【方便】
⇒たづき
た-づき 【方便】
①
手段。手がかり。方法。
出典徒然草 一八八
「説経などして世渡るたづきともせよ」
[訳] 仏教の道理などを説いて聞かせてこの世で生活していく手段ともしなさい。
②
ようす。状態。見当。
出典古今集 春上
「をちこちのたづきも知らぬ山中(やまなか)に」
[訳] どこがどことも見当もつかない山の中で。
参考
古くは「たどき」ともいった。中世には「たつき」と清音にもなった。
た-どき 【方便】
「たづき」に同じ。◆上代語。
はう-べん 【方便】
①
仏・菩薩(ぼさつ)が人々を救済するために用いる便宜上の手段。
出典源氏物語 蜻蛉
「人の心を起こさせむとて仏のし給(たま)ふはうべんは」
[訳] 人の仏道に入る心を起こさせようとして仏様のなさるお導きの手段は。
②
転じて、目的を遂げるためにちょっと利用する手段・てだて。
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