学研全訳古語辞典 |
きしかた-ゆくすゑ 【来し方行く末】
分類連語
①
「きしかたゆくさき」に同じ。
出典源氏物語 須磨
「万(よろづ)のこと、きしかたゆくすゑ思ひ続け給(たま)ふに、悲しきこと、いとさまざまなり」
[訳] いろいろのこと、これまでのことやこれからのことを思い続けなさると、悲しいことが、たいそうさまざまである。
②
通り過ぎて来た場所・方角と、これから行く場所・方角。
出典竹取物語 蓬莱の玉の枝
「きしかたゆくすゑも知らず、海に紛れむとしき」
[訳] 来た方角も行く先もわからず、海にまぎれこみそうになった。◆「ゆくすゑ」は名詞。
こしかた-ゆくすゑ 【来し方行く末】
分類連語
①
過ぎて来た方向とこれから向かう方向。
②
過去と未来。
出典平家物語 一〇・海道下
「こしかたゆくすゑの事ども思ひ続け給(たま)ふに」
[訳] (月日が流れ)過去と未来のことなどを考え続けられるにつけて。◆「こしかたゆくさき」とも。
なりたち
カ変動詞「来(く)」の未然形+過去の助動詞「き」の連体形+名詞「かた」+名詞「ゆくすゑ」
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