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来し方の意味

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学研全訳古語辞典

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き-し-かた 【来し方】

分類連語


過ぎ去った時。過去。


出典源氏物語 夕顔


「きしかたの事なども人知れず思ひ出(い)でけり」


[訳] 過去のことなどをそっと思い出した。


通り過ぎて来た場所・方角。


出典蜻蛉日記 中


「きしかたを見やれば、…船どもを岸に並べ寄せつつあるぞ」


[訳] 通り過ぎて来た方を眺めやると、…多くの船をずらっと岸に寄せて並べてあるのは。[反対語] 行(ゆ)く末(すゑ)。⇒こしかた


参考


なりたち

カ変動詞「く(来)」の連用形+過去の助動詞「き」の連体形+名詞「かた」



こ-し-かた 【来し方】

分類連語


通り過ぎて来た方向。通って来た場所。


出典源氏物語 須磨


「うちかへり見給(たま)へるに、こしかたの山はかすみ、はるかにて」


[訳] (源氏が)振り返ってご覧になっていると、通り過ぎて来た方角の山はかすんで、はるか遠くで。


過ぎ去った時。過去。


出典新古今集 雑下


「こしかたをさながら夢になしつればさむる現(うつつ)のなきぞかなしき」


[訳] 過ぎ去った時をそのまま夢にしてしまったので、夢から覚める現実がないことが悲しいことだ。


参考

過去の助動詞「き」の連体形「し」が、カ変動詞に付くときは、未然形「こ」、または、連用形「き」に付く。従って、「きしかた」の例もある。「こしかた」「きしかた」の関係では、中古、「きしかた」の方が優勢で、特にの過去の意を表すのに多く用いた。中古末期以降になると、逆に「こしかた」の方が圧倒的に多くなり、「きしかた」は衰えた。


なりたち

カ変動詞「来(く)」の未然形+過去の助動詞「き」の連体形+名詞「かた」








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