学研全訳古語辞典 |
かま・ふ 【構ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
かかわる。関係する。
出典雁盗人 狂言
「いやこなたのかまはせられた事ではござらぬ」
[訳] いやこちらさんの関係されることではございません。
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
追放する。
出典風来六部集
「すでに市川の苗字(めうじ)を削られ、芝居もかまはるべき程の事なり」
[訳] すんでのところで(団十郎は)市川の苗字を取り上げられて、芝居仲間から追放されそうな事態である。
{語幹〈かま〉}
①
組み立てる。構築する。つくる。
出典方丈記
「居屋(ゐや)ばかりをかまへて、はかばかしく屋を作るに及ばず」
[訳] 自分の住む家だけを造って、しっかりと建物を造るまではいかない。
②
計画を練る。
出典源氏物語 若紫
「いかにかまへて、ただ心やすく迎へ取りて、明け暮れの慰めに見む」
[訳] どう計画をめぐらして、(若紫を)ただすんなりと迎え入れて、朝夕の慰めとして見よう。
③
準備する。備える。用意する。
出典竹取物語 燕の子安貝
「綱をかまへて、鳥の、子産まむ間に、綱をつり上げさせて」
[訳] 綱を用意して、鳥が卵を産もうとする間に、綱をつり上げさせて。
④
身構える。振る舞う。
出典鱸庖丁 狂言
「いかにも慇懃(いんぎん)にかまへて」
[訳] いかにも丁重に振る舞って。
く・ふ 【構ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
(鳥が巣を)作る。
出典竹取物語 燕の子安貝
「燕(つばくらめ)の、巣くひたらば告げよ」
[訳] 燕(つばめ)が、巣を作ったならば知らせよ。
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