学研全訳古語辞典 |
もの-はかな・し 【物はかなし】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
なんとなく頼りない。
出典蜻蛉日記 上
「世の中にいとものはかなく、とにもかくにもつかで、世に経(ふ)る人ありけり」
[訳] この世の中にたいそう頼りなく、どうにもこうにも態度を決めかねて、夫婦生活を続けている人があった。
②
とりとめがない。たわいない。
出典和泉式部
「その夜おはしまして、例のものはかなき御物語せさせ給(たま)ひても」
[訳] その夜いらっしゃって、いつものとりとめのない物語をおさせになっても。◆「もの」は接頭語。
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