学研全訳古語辞典 |
おのこ 【男子・男】
⇒をのこ
なん-し 【男子】
男。男性。また、男児。
を-の-こ 【男子・男】
①
男。男子。
出典徒然草 一
「下戸(げこ)ならぬこそをのこはよけれ」
[訳] 酒が飲めない人でないのが男としてはよいのである。
②
男の子。男児。
出典徒然草 一〇七
「すべてをのこをば、女に笑はれぬやうにおほしたつべしとぞ」
[訳] だいたい男の子は、女から笑われないように育てなければならないという。
③
殿上人。殿上に出仕する男性。
出典枕草子 うへにさぶらふ御猫は
「猫を御ふところに入れさせ給(たま)ひて、をのこども召せば」
[訳] (帝(みかど)は)猫をご自分のふところにお入れになられて、殿上人たちをお呼び寄せになると。
④
召使いの男性。下男。
出典源氏物語 夕顔
「この院の預かりの子、睦(むつ)ましく使ひたまふ若きをのこと」
[訳] この寺院の留守番の子で、親しくお使いになっている若い下男と。
参考
⇒をとこ
参考
をのこ-ご 【男子】
①
男の子。男児。
出典枕草子 うつくしきもの
「八(や)つ、九(ここの)つ、十(とを)ばかりなどのをのこごの、声は幼げにて文(ふみ)読みたる、いとうつくし」
[訳] 八、九、十歳ぐらいの男の子が、声はいかにも幼そうなようすで漢籍を読んでいるのは、とてもかわいらしい。[反対語] 女子(をんなご)。
②
男。男性。
出典源氏物語 少女
「むつましき人なれど、をのこごにはうち解くまじきものなり」
[訳] 仲の良い人ではあっても、男性には気を許してはいけないものである。
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