学研全訳古語辞典 |
ま-な 【真名・真字】
①
漢字。
出典紫式部日記 消息文
「さばかりさかしだち、まな書き散らして侍(はべ)るほども」
[訳] あれほど賢そうに振る舞い、漢字を書き散らしております程度も。[反対語] 仮名(かな)。
②
漢字の楷書(かいしよ)体。
出典源氏物語 葵
「草(さう)にもまなにも、さまざまめづらしきさまに、書きまぜ給(たま)へり」
[訳] 草書にも楷書にも、さまざまにめったにないようすで、書きまぜていらっしゃる。◆正式の文字の意。「まんな」とも。
参考
古くは、日本は文字を持たず、伝来した漢字を用いて国語を表記する工夫が試みられ、また、正式の文書は長い間漢文で書かれた。そのため漢字を「真名」といい、正式の文書は男が扱うものだったので「男手(をとこで)」といった。
まん-な 【真名・真字】
「まな(真名)
①
」に同じ。◆「まな」の撥(はつ)音便。[反対語] 仮名(かんな)。
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