学研全訳古語辞典 |
いひ-や・る 【言ひ遣る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
(使者や手紙を通して)言葉で伝える。言い送る。
出典伊勢物語 五四
「昔、男、つれなかりける女にいひやりける」
[訳] 昔、男が、冷淡だった女に言い送った(歌)。
②
〔多く下に打消の語を伴って〕すらすらと言う。最後まで言う。
出典枕草子 宮の五節いださせ給ふに
「えもいひやらねば」
[訳] どうしてもすらすらと言わないので。
参考
「いひもやらず」も②と同意の表現。「も」は挿入された強めの助詞。「いひもやらず、むせかへり給(たま)ふほどに」(『源氏物語』)〈最後まで言うこともできず、涙にむせかえりなさるうちに。〉
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