学研全訳古語辞典 |
ととの・ふ 【調ふ・整ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
①
きちんとそろう。不足なく備わる。
出典源氏物語 紅葉賀
「人柄もあるべき限りととのひて」
[訳] 人柄も備わるべきものがすべてそろっていて。
②
(楽器の)調子が合う。
出典源氏物語 若菜下
「いとかしこくととのひてこそ侍(はべ)りつれ」
[訳] (和琴(わごん)は)たいそう立派に調子が合っておりました。
活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}
①
きちんとそろえる。準備する。
出典源氏物語 鈴虫
「御念誦堂(ねんずだう)の具ども、細かにととのへさせ給(たま)へるを」
[訳] 御念誦堂に必要な道具なども、細かに不足なくご準備させなさったのを。
②
調子を合わせる。
出典源氏物語 若菜上
「よろづの物の音(ね)ととのへられたるは」
[訳] すべての楽器の音色が調子を合わせられて響くのは。
とな・ふ 【調ふ・整ふ】
活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}
一つにそろえる。ととのえる。集中させる。
出典枕草子 殿上の名対面こそ
「耳をとなへて聞くに」
[訳] 耳(の神経)を集中させて聞くと。
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