学研全訳古語辞典 |
あに 【豈】
①
〔下に打消の語を伴って〕決して。少しも。
出典日本書紀 仁徳
「あに良くもあらず」
[訳] 決して良くはない。
②
〔下に反語表現を伴って〕どうして。なんで。
出典万葉集 三四五
「価(あたひ)なき宝といふとも一坏(ひとつき)の濁れる酒にあに益(ま)さめやも」
[訳] 値段がつけられないほどに貴重な宝だといっても、一杯の濁り酒にどうしてまさろうか、いや、まさりはしない。
参考
中古以降は漢文訓読体にもっぱら用いられ、ほとんどが②の用法となった。
豈のページへのリンク |