学研全訳古語辞典 |
あたり 【辺り】
①
付近。周辺。あたり。
出典竹取物語 かぐや姫の昇天
「子(ね)の時ばかりに、家のあたり、昼の明かさにも過ぎて光りわたり」
[訳] 夜中の十二時ごろに、家の周辺が、昼の明るさと比べても、それ以上に一面に光り輝き。
②
(その状態にある)人。方。
出典紫式部日記 寛弘五・一一・一五
「あはれなりし人の語らひしあたりも」
[訳] かつて情趣をわかりあった人で親しく語り合った人も。
③
親類。縁者。
出典大鏡 師輔
「御あたりを広うかへり見給(たま)ふ御心深さに」
[訳] (安子は)ご縁者の方々を広くお目をかけ配慮なさるご愛情の深さから。
わたり 【辺り】
①
付近。あたり。
出典徒然草 八九
「このわたりに見知れる僧なり」
[訳] このあたりで見知っている僧である。
②
かた。あたり。▽人や人々を間接的にさしていう。
出典源氏物語 末摘花
「すこしゆゑづきて聞こゆるわたりは」
[訳] 少し風情があるようにうわさのあるかたは。
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