学研全訳古語辞典 |
たぐい 【類・比】
⇒たぐひ
たぐひ 【類・比】
①
仲間。連れ。
出典源氏物語 若紫
「同じさまにものし給(たま)ふなるを、たぐひになさせ給へ」
[訳] 私と同じ境遇でいらっしゃるそうなので、仲間になさってください。
②
人々。連中。
出典方丈記
「飢ゑ死ぬる者のたぐひ、数も知らず」
[訳] 飢えて死ぬ人々は数がわからないほど多い。
③
例。同類。
出典源氏物語 若紫
「人々まじなひわづらひしを、やがてとどむるたぐひ、あまた侍(はべ)りき」
[訳] 人々がまじなっても(効き目が出ず)困っていたのを、すぐに治した例が、たくさんございました。
④
種類。…ようなもの。
出典方丈記
「男女(なんによ)死ぬるもの数十人、馬・牛のたぐひ辺際(へんさい)を知らず」
[訳] 男女で死んだ者は数十人、馬や牛のようなもの(に至ってはその)際限を知らない。
るい 【類】
①
同類。仲間。
出典竹取物語 竜の頸の玉
「竜(たつ)は鳴る雷(かみ)のるいにこそあれ」
[訳] 竜は雷の同類であったのだ。
②
一家。一族。親類。
出典源氏物語 玉鬘
「姉おもとはるい多くて、え出(い)で立たず」
[訳] 姉君は一族が多くて、(都へ)とても出発できない。
③
縁故。知人。
出典更級日記 子忍びの森
「頼もしう迎へとりてむと思ふるい、親族(しぞく)もなし」
[訳] 頼みがいがあって(私を)迎えて引き取ろうと思う知人・縁者はいない。
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