学研全訳古語辞典 |
うるは・し 【麗し・美し・愛し】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
壮大で美しい。壮麗だ。立派だ。
出典古事記 景行
「倭(やまと)は国のまほろばたたなづく青垣(あをがき)山ごもれる倭しうるはし」
[訳] ⇒やまとは…。
②
きちんとしている。整っていて美しい。端正だ。
出典源氏物語 若紫
「同じ小柴(こしば)なれど、うるはしうしわたして」
[訳] (ほかと)同じ小柴垣だが、きちんと作りめぐらして。◇「うるはしう」はウ音便。
③
きまじめで礼儀正しい。堅苦しい。
出典大鏡 道隆
「この中納言参り給(たま)へれば、うるはしくなりて、ゐなほりなどせられければ」
[訳] この中納言が参上なさったので、皆が堅苦しくなって、いずまいを正したりなさったので。
④
親密だ。誠実だ。しっくりしている。
出典伊勢物語 四六
「昔、男、いとうるはしき友ありけり」
[訳] 昔、男が、とても親密な友人をもっていた。
⑤
色鮮やかだ。
出典土佐日記 二・四
「くさぐさのうるはしき貝・石など多かり」
[訳] いろいろの色鮮やかな貝や石などがたくさんある。
⑥
まちがいない。正しい。本物である。
出典平家物語 一二・紺搔之沙汰
「故左馬頭(さまのかみ)義朝(よしとも)のうるはしきかうべとて」
[訳] 亡き左馬頭義朝のまちがいない首だといって。
参考
⇒うつくし
うるわし 【麗し・美し・愛し】
⇒うるはし
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