学研全訳古語辞典 |
あ
①
あっ。ああ。▽驚いたり感動したりしたときに発する語。
②
おい。▽呼びかけるときに発する語。
③
はい。▽答えるときに発する語。
出典去来抄 先師評
「凡兆(ぼんてう)、『あ』と答へて」
[訳] (芭蕉(ばしよう)の弟子である)凡兆は「はい」と答えて。
あ 【吾・我】
私。▽自称の人称代名詞。
出典万葉集 八九〇
「今日(けふ)今日とあを待たすらむ」
[訳] 今日こそは今日こそはと私を待っていらっしゃることだろう。
語の歴史
主に上代に使われた語。中古以後は、助詞「が」を伴った「あが君」「あが仏」などの形で使われた。⇒あが
あ 【彼】
あれ。あちら。あの人。▽遠称の指示代名詞。
出典更級日記 竹芝寺
「あの男(をのこ)、こち寄れ」
[訳] あちらの男よ、こちらへ寄りなさい。
あ 【案】
考え。思案。◆「あん(案)」の撥音(はつおん)「ん」が表記されない形。
あ 【足】
足(あし)。
出典万葉集 三三八七
「あの音せず行かむ駒(こま)もが」
[訳] 足の音を立てないで行くような馬があればなあ。
参考
上代語。「足占(あうら)」「足結(あゆひ)」などのように多く複合語の形で使われた。
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