学研全訳古語辞典 |
け
①
上代のク活用形容詞の未然形活用語尾。
出典万葉集 三七四三
「恋ひつつすべなけなくに」
[訳] 恋い焦がれてどうしようもないことよ。
②
上代のク活用形容詞の已然形活用語尾。
出典万葉集 三七二八
「大路(おほち)は行きよけど」
[訳] 都大路は歩きやすいけれど。
け 【卦】
易(えき)の算木(さんぎ)に現れる象(かた)。「八卦(はつけ)」と、その組み合わせによる六十四卦で、天地間の一切の変化をよみとり、吉凶を判断する。
け 【怪】
怪しく不思議な事柄。怪異。もののけ。
け 【故】
ため。せい。▽理由を表す語。
出典大鏡 道長上
「御手もわななくけにや、的のあたりだに近く寄らず」
[訳] お手もふるえるせいだろうか。(矢は)的の付近にさえ近づかない。
け 【日】
日々(ひび)。▽「日(ひ)」の複数形。
出典万葉集 三三四七
「草枕(くさまくら)(=枕詞(まくらことば))この旅のけに」
[訳] この旅の日々に。◆上代語。
け 【毛】
①
動植物の毛。
②
細い糸状のもの。
③
鎧(よろい)の縅(おどし)の糸。縅毛(おどしげ)。
け 【気】
①
気分。心地。
出典源氏物語 夕顔
「恐ろしきけもおぼえず」
[訳] (夕顔の死体を見ても源氏には)恐ろしい心地も感じられず。
②
ようす。気配。
出典源氏物語 空蟬
「なほ静かなるけを添へばや」
[訳] もう少し静かなようすを添えたい。
け- 【気】
〔動詞・形容詞に付いて〕…ように感じられる。何となく…だ。「けおさる」「けおそろし」
け 【消】
動詞「く(消)」の未然形・連用形。
出典万葉集 八四九
「早くな散りそ雪はけぬとも」
[訳] 早く散らないでおくれ、たとえ雪が消えてしまおうとも。
け 【笥】
容器。入れ物。特に、食器。
出典万葉集 一四二
「家にあればけに盛る飯(いひ)を」
[訳] ⇒いへにあれば…。
け 【褻】
日常。ふだん。
出典徒然草 一九一
「け晴れなく、ひきつくろはまほしき」
[訳] ふだんも正式の場合も区別なく、(身なりを)きちんと整えていたいものだ。[反対語] 晴れ。
け 【食】
食事。飲食物。
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