学研全訳古語辞典 |
くれがたき…
分類和歌
「暮れがたき夏の日ぐらしながむればそのこととなくものぞ悲しき」
出典伊勢物語 四五
[訳] なかなか暮れない夏の暑く長い日を、一日中もの思いにふけってぼんやりしていると、何ということもなくすべてがもの悲しく感じられるよ。
鑑賞
ある家の娘が、男に恋をしたが打ち明けることもできず、こがれ死んでしまった。それを伝え聞いた男が急いで娘の家を訪れ、喪に服して詠んだ歌。晩夏の季節感と憂愁とがよく表現されている。係助詞「ぞ」の結びは「悲しき」で強調表現。
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