学研全訳古語辞典 |
くものうへも…
分類和歌
「雲の上も涙にくるる秋の月いかですむらむ浅茅生(あさぢふ)の宿」
出典源氏物語 桐壺
[訳] 雲の上(=宮中)でも、悲しみの涙に曇ってよく見えない秋の月は、どうして澄んで見えることがあろうか、草深い更衣の実家では(残された人達は悲しみにうちひしがれ、どのように暮らしているだろうか)。
鑑賞
桐壺(きりつぼ)の更衣亡き後、幼い源氏は更衣の実家で祖母と暮らしている。帝(みかど)が更衣の実家を思いやって詠んだ歌。「すむらむ」には「澄む」と「住む」がかけられている。「浅茅生の宿」は「草深い住まい」のこと。
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