学研全訳古語辞典 |
あそば・す 【遊ばす】
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
①
(詩歌・狩猟・管弦などを)なさる。お楽しみになる。▽「遊ぶ」の尊敬語。
出典栄花物語 月の宴
「みかど、箏(さう)の御琴をぞいみじうあそばしける」
[訳] 天皇は、箏を巧みに演奏なさった。
②
〔いろいろな動作を入れて〕お…になる。なさる。▽「為(す)」の尊敬語。
出典平家物語 四・源氏揃
「御手跡(おんしゆせき)うつくしうあそばし」
[訳] 文字を立派にお書きになり。
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
〔多く「お」「ご」の付いた動詞の連用形または名詞に付いて〕…なさる。お…になる。
出典女殺油地獄 浄瑠・近松
「あれへお通りあそばせ」
[訳] あちらへお通りになってください。◆近世語。
参考
[一]は四段動詞「あそぶ」の未然形に上代の尊敬の助動詞「す」が付いた連語「あそばす」が中古以後一語化したもの。
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