学研全訳古語辞典 |
あしひきの…
分類和歌
「あしひきの(=枕詞(まくらことば))山川(やまがは)の瀬の鳴るなへに弓月(ゆつき)が岳(たけ)に雲立ち渡る」
出典万葉集 一〇八八・柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)
[訳] 山の中の川の浅瀬の音が激しく鳴るにつれて、弓月が岳には一面に雲が立ち込めてくる。
鑑賞
変化する自然を聴覚と視覚とでとらえ、力強く詠んでいる。「なへに」は「…するとちょうどその折に」の意を表す。「弓月が岳」は今の奈良県の巻向(まきむく)山の峰の一つ。
あしひきの…
分類和歌
出典百人一首
「あしひきの(=枕詞(まくらことば))山鳥の尾のしだり尾の長々し夜(よ)をひとりかも寝む」
出典拾遺集 恋三・柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)
[訳] 山鳥の長く垂れ下がっている尾のように長い長い夜を、独りでさびしく寝ることかなあ。
あしひき-の 【足引きの】
分類枕詞
「山」「峰(を)」などにかかる。語義・かかる理由未詳。
出典万葉集 一〇八八
「あしひきの山川(やまがは)の瀬の」
[訳] ⇒あしひきのやまがはのせの…。◆中古以後は「あしびきの」とも。
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