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いやしの意味

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学研全訳古語辞典

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いや・し 【卑し・賤し】

形容詞シク活用

活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}


身分が低い。地位が低い。


出典方丈記 


「たましきの都のうちに、棟を並べ甍(いらか)を争へる、高きいやしき人のすまひは」


[訳] 玉を敷いたように美しくりっぱな都の中に、棟を並べ屋根の高さを競っている、身分が高い人や身分が低い人の住居は。


粗末である。みすぼらしい。


出典徒然草 二二〇


「何事も辺土はいやしく、かたくななれど」


[訳] 何事につけても片いなかは粗末で、粗野であるけれども。


けちだ。さもしい。いじきたない。


出典枕草子 関白殿、二月二十一日に


「いかにいやしく物惜しみせさせ給(たま)ふ宮とて」


[訳] どんなにさもしく物惜しみをなさる宮だといって。


下品だ。


出典枕草子 ふと心おとりとかするものは


「ただ文字一つに、あてにもいやしうもなるは、いかなるにかあらむ」


[訳] ほんの言葉づかい一つで、上品にも下品にもなるのは、どういうわけだろうか。◇「いやしう」はウ音便。








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