学研全訳古語辞典 |
カン 【官・冠・巻・貫・萱・款・寛・勧・関・管・還・観・灌】
⇒くゎん
くゎん 【官】
①
国家。朝廷。政府。
②
官庁。役所。特に、「太政官(だいじやうくわん)」。
出典枕草子 故殿の御服のころ
「くゎんの司(つかさ)の朝所(あいたどころ)に渡らせ給(たま)へり」
[訳] 太政官の庁舎の朝所(=参議以上の人が食事をする所)に(中宮が)行啓なさった。
③
官職。官位。
出典平家物語 二・教訓状
「太政大臣のくゎんに至る人」
[訳] 太政大臣の官職についている人。
つかさ 【司・官・寮】
①
役所。官庁。
出典竹取物語 かぐや姫の昇天
「つかさ、つかさに仰せて、…二千人の人を竹取の家に遣はす」
[訳] (帝(みかど)は)役所、役所に命令して、…二千人の人々を竹取の翁の家へお遣わしになる。
②
役人。官吏。
出典源氏物語 須磨
「近き所々の御庄(みさう)のつかさ召して」
[訳] 近くのあちこちの荘園の役人をお呼び寄せになって。
③
官職。
出典枕草子 すさまじきもの
「除目(ぢもく)につかさ得ぬ人の家」
[訳] 官職任命の儀式に官職を得ない人の家。
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