学研全訳古語辞典 |
おふ・す 【仰す】
活用{せ/せ/す/する/すれ/せよ}
命じる。言いつける。
出典万葉集 四三八九
「にはしくもおふせたまほか」
[訳] 急に命じなさることだ。◆上代の東国方言。
おほ・す 【仰す】
{語幹〈おほ〉}
①
言いつける。命じる。
出典枕草子 神のいたう鳴るをりに
「大将おほせて、『おり』とのたまふ」
[訳] 大将が命じて「下りよ」とおっしゃる。
②
〔「おほせらる」「おほせたまふ」の形全体で〕おっしゃる。▽「言ふ」の尊敬語。
出典大鏡 道長下
「よの人いかがたへんとおほせられけれ」
[訳] 世間の人はどうしてたえられるだろうかと(村上天皇は)おっしゃった。
③
〔単独で用いられて〕おっしゃる。▽「言ふ」の尊敬語。
出典平家物語 一・鹿谷
「法皇『あれはいかに』とおほせければ」
[訳] 法皇が「いったいどうしたことか」とおっしゃったところ。◇中世以降の用法。
おおす 【生おす・仰す・果す・負おす】
⇒おほす
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