学研全訳古語辞典 |
いにしへの…
分類和歌
出典百人一首
「いにしへの奈良(なら)の都の八重桜(やへざくら)けふ九重(ここのへ)ににほひぬるかな」
出典詞花集 春・伊勢大輔(いせのたいふ)
[訳] その昔栄えた奈良の平城京で咲いた八重桜が、今日は平安の都の宮中で美しく咲いていることです。
鑑賞
詞書(ことばがき)によれば、ある人が奈良の八重桜を宮中に奉ったとき、「その花を題に歌を詠(よ)め」との仰(おお)せに従っての即詠であるという。「けふ」は「今日」と「京」の掛(か)け詞(ことば)。「九重」は宮中の意で、「ここの辺(へ)(=このあたり)」とかけている。また、「いにしへ」と「けふ」、「八重」と「九重」は、それぞれ対語(ついご)になっている。
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